Illustration Seez

単行本イラスト、初めて描いた本の表紙

今から30年程前になる。
当時のことはあまり記憶にない…。というか、ほとんど覚えていない。

表紙を飾るイラスト。自分の描いたイラストが本の顔になり
本屋に並ぶかも。
 


 

駆け出しのイラストレーターにとって初めての体験で、夢に描いた出来事のはずなのに 
なんで覚えていないのか。

そんな書籍のコトについてちょっと書いてみようと思う。

 

 

物事が淡々と進み、大きな修正もなく仕事の納品までに苦労したという記憶がない。
ただ、描いた表紙の絵に対して 一抹の不安感があったことだけはうっすらと思い出す。
ある意味、初体験なのに何事もなく進みすぎた事が、この時の記憶を消していったのかもしれない。

 
本の内容は読んでない。一部 掻い摘んでさらさらっと見たくらいの感じである。
これって結構「失礼なヤツ」なのかな。

そんな何処かに置きわすれてしまったかのような本を 
今 引っ張り出したのには昨今の状況や積み重ねてきた仕事に対する思いなどで
振り返りが多くなってきたから。

積み重ねてきた年月の多さもあるかな。

 

『だって、歳をとったもんな…』

 

 

 

あらためて思う。

 

キャンパスボード、カラー絵の具、表紙の絵は筆で描いたアナログ作品だった。
そして記憶が薄いのは、 当時描いたこの作品が自分にとってあまり気に入ったものでは
なく、問題なく採用で完成本もできたのに 反省したり、確認したり、
眺めたりという事をせず、長い間見て見ぬふりをして来たのだと。

 

 

本の発行は1996年1月。
30年程の歳月は 中身の挿絵も全て描いていた事すら吹っ飛んでいて、
今、あらためてマジマジと眺めて見る。

 

「なんや!味があって結構上手いやん。
 挿絵 面白く描けてるわ。
 そんでもって49点も描いてたなんて!!」

 

表紙の絵だって、デジタル化の流れの中で
比較的先頭になって対応してきた自分だっただけに
筆タッチの本物アナログ感は、とっても魅力的に見える。
自分が描いたのに 自分では無い感覚。

 

絵柄のメインは ねぶた祭り。

その中で 汽車が走っている…

「ああ!イーハートーブ、宮沢賢治じゃん!」

 

 このことも忘れてた。

 

 

本当に駆け出しの頃の作品って 自分の意見として
二つのうち どちらかだと思う。

 

「うっわ!この頃のヘタクソ〜!!!」
 

 か


「あら!いいじゃん!!」

 

 

30年の時を経て 本自体は廃刊。


発行元の出版社も見当たらなかった。


Amazonで中古本の情報あり(本当にあるのかな)

 

自分の手元には 当時見本で頂いた完成本 1冊

 

 

30年の時を経て 何度も眺めてみる。

 

『100%東北人』
 

30年経った 描いたものに対する今になっての評価

 


 私の中での 「Good job!」

 

 

 

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